旅客機「借りパク」問題だけじゃない! ウクライナ情勢が落ち着いても「航空業界」は前途多難すぎるワケ

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ウクライナ情勢がコロナ禍の航空業界へさらなる打撃。事態が鎮静化しても前途多難。ロシア上空を避ける動きが活発化し、国際線は欠航し早期再開も見込めない。ロシアへの物流がほぼ全面ストップし、航空部品の提供も事実上止まっている。

戦争が終結してもすぐには元に戻らない

羽田空港、3月2日の国際線出発案内。この直後から欧州便が激減した(画像:シカマアキ)
羽田空港、3月2日の国際線出発案内。この直後から欧州便が激減した(画像:シカマアキ)

 2020年春から世界中で新型コロナウイルスが感染拡大し、航空業界も大きく影響を受けた。しかしそれも、昨冬のヨーロッパ諸国をはじめとしたオミクロン株による感染爆発をピークに、世界の多くの国・地域で収束傾向にある。

 日本では、入国規制の大幅緩和が2022年3月1日から始まった。海外旅行再開への見通しもやっと見え始めたかというタイミングで、今回のロシアによるウクライナ侵攻が起き、再び先行き不透明となった。

 たとえ戦争が収まっても、航空業界への影響は長期に及ぶことが予想される。というのも現在、ロシアと世界の他の多くの国・地域は、国交がほぼ断絶した状況で、両国間を結ぶ国際線は欠航し、早期再開も見込めない。しかも、ロシアで事業展開する外資系企業の撤退も相次いでおり、ロシアの現政権が交代しない限り、以前の状況に戻るのは難しいだろう。

 さらに、ロシアの航空会社が欧州諸国の企業からリース中の航空機を返還することを一方的に拒否しているとの報道もある。航空機は定期整備が必要不可欠だが、先に述べた通り、ボーイングをはじめとした航空機製造メーカーからの部品供給は期待できない。

 代替部品がない状況では安全性にも懸念が出てくる。無理に飛ばしてはロシア国内での事故のリスクも高まる。

 以前の状況に戻るとしても数年、数十年かかる可能性もある。その間も航空業界への影響は確実に続く。リース機返還問題で、ロシアへの投資リスクも顕著になった。一連の影響は今後さらに多岐におよび、航空業界のみならず国際ビジネス全体にも影響するだろう。

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