ウクライナ侵攻で再注目のアンカレッジ空港、実は貨物輸送「世界5位」の空港だった

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ウクライナ侵攻の影響で、アンカレッジ国際空港がヨーロッパ便の経由地として注目を浴びている。1990年代前半から運用されていなかった同空港ルートだが、今後はどうなるのか。

アメリカ最北端の州に位置

アラスカ州アンカレッジの位置(画像:(C)Google)
アラスカ州アンカレッジの位置(画像:(C)Google)

 旅客機による旅客輸送ルートの経由地として、アンカレッジ国際空港がにわかに注目を浴びつつある。40代半ば以降の年齢層は、アンカレッジという名称に懐かしい響きを感じることだろう。なお、アンカレッジはアメリカの最北端にある州・アラスカ州の南部に位置している。

 かつてはヨーロッパ便の経由地として名をはせたアンカレッジだが、航空機の性能向上に伴い、直行便が主流となり、アンカレッジ経由のルートは1990年代前半から運用されていない。

 この往年の経由地を取り巻く環境に、ここ最近どのような変化があったのだろうか。その背景を探った。

ウクライナ侵攻で航空ルートが変化

民間航空機の現在位置を提供するサイト「Flightradar24」(画像:Flightradar24)
民間航空機の現在位置を提供するサイト「Flightradar24」(画像:Flightradar24)

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、ヨーロッパから東アジア各地を結ぶ航空路が大きく変化している。欧州連合(EU)がロシア国籍機に対し航空制裁を発した後、ロシアも直ちにロシア領空内のEU各国の飛行を禁止した。

 民間航空機の現在位置を提供するサイト「Flightradar24」でも、ウクライナはもちろんのこと、ロシア上空が閑散としていることが確認できる。また、中央アジアあるいはインドから中東上空を通過する、いわゆる「南回りルート」に航空機が集中していることもわかる。

 しかしながらこのルート変更は、ヨーロッパの航空会社にとって大きな痛手である。ある航空専門家は、ロシア上空を通過していたころに比べて搭乗時間は1時間20分伸び、加えて、1フライトあたり130万円以上のコスト負担になるとみている。

 ヨーロッパの航空各社が、2022年は航空機の需要が感染拡大前の水準に戻ると予測していた矢先の出来事だ。ルフトハンザやブリティッシュ・エアウェイズ、エールフランス-KLMなど、アジア便に力をいれてきた各社は影響を免れないだろう。特にフィンランド航空は、ヘルシンキを拠点としたロシアルートの地理的なメリットが失われたため、既に2022年の事業見通しを修正している。