「犬型ロボット」は人間の敵か味方か? 物流革命から「殺人ライフル搭載」まで、七変化するその性能とは
物流業界の人手不足を解消するため、ロボット導入が進む。特にボストン・ダイナミクスの犬型ロボット「スポット」は、倉庫内作業や異常検知、警備など多用途で活躍。一方、軍事利用も懸念される。
物流業界で進む倉庫作業の自動化
物流業界の人手不足は、今や日本だけでなく世界的な課題であり、その解決に向けて倉庫作業の自動化が進められている。
例えば、三菱重工と三菱ロジネクストが手がける、無人フォークリフトなど自動化・無人化技術や、物流倉庫の自動化システムΣSynX(シグマシンクス)がそうだ。自律した自動フォークリフトやピッキングマシンが倉庫内で作業する姿は、これからは当たり前の光景となるだろう。
倉庫作業の自動化という点では、ドイツの通販会社であるオットーグループの取り組みが面白い。同グループは、米国に本社があるボストン・ダイナミクスが開発した
・ストレッチ(商用物流ロボット)
・スポット(四足歩行ロボット)
を導入し、将来的には配送センター10か所以上にスポットを、20か所以上にストレッチを配備するとしている。ストレッチは、先端に吸盤の付いたロボットアームで、コンテナから荷物を取り出すロボットだ。
もうひとつのスポットは、倉庫内を自律して走り回り、異常検知や収納棚のチェックなどの業務を担当する。ロボットアームと四足歩行ロボットの組み合わせがユニークといえよう。
オットーグループは、ボストン・ダイナミクスにとって最大の顧客となるだけでなく、新たなビジネス戦略を踏まえた契約も締結しており、ロボットをさらに発展させる研究を進める。