「犬型ロボット」は人間の敵か味方か? 物流革命から「殺人ライフル搭載」まで、七変化するその性能とは

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物流業界の人手不足を解消するため、ロボット導入が進む。特にボストン・ダイナミクスの犬型ロボット「スポット」は、倉庫内作業や異常検知、警備など多用途で活躍。一方、軍事利用も懸念される。

物流倉庫だけではない活用

スポットによる電力設備巡視実証実験実施(画像:中部電力)
スポットによる電力設備巡視実証実験実施(画像:中部電力)

 犬型ロボットは、各種検査機器やアタッチメントを実装することで、物流倉庫だけではなくさまざまな分野で活用が進められてきた。

 夜間でも360度カメラとセンサーにより視界がきくため、番犬として導入する企業が増えている。ドイツ鉄道(DB)は、車両への落書きといった基地でのいたずらや破壊活動を防止するために、スポットを試験的に導入した。

 複雑な地形を難なく移動できる犬型ロボットは、レールやバラスト上を移動するにはもってこいだ。なおDBは、車両検査への活用も進めているそうだ。日本では、中部電力が電力設備の点検業務へのスポットの活用に向けた実証実験を、2020年から世界に先駆けて行っている。

 また、建設分野では、レーザースキャナーによる構造物の測定をはじめ、管理業務にスポットを活用する研究が進められている。

 東大の新領域創成科学研究科では、大手ゼネコンの大林組と共同研究により、スポットとドローンを組み合わせて建設したトンネルの断面を計測するシステムを開発した。この技術開発により、計測時間が従来の約30分の1になった。

 このほか、危険物の処理といった人間では難しいミッションを遂行するために、スポットなどの犬型ロボットを配備する警察もある。

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