スキマ時間の単発バイト、なぜか「物流倉庫」がやたら人気なワケ
2024年5月末時点でスポットワーク登録者約2200万人、市場規模は2023年度824億円見込み。物流業界にも進出し、自由な働き方が支持される理由。企業は必要時に人員を確保、労働者は柔軟な勤務時間で自己実現。労働多様化と共に市場は拡大し続ける。
スポットワーカーが活躍する多様な職域
スポットワーカーが働く現場は小売店舗、カフェやレストラン、フードデリバリーなど多岐にわたるが、そのなかで物流倉庫での職域も拡大している。
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「メルカリ ハロ」で勤務実績のある業界で最も多いのは物流倉庫であり、以下
・スポーツジム/レジャー施設
・フードデリバリー/バイク便
・カフェ/喫茶店
・レストラン/専門料理店
の順となっている。筆者(田村隆一郎、経営コンサルタント)は以前タイミーの幹部から「当初は忙しい時間帯が限られる外食店舗などをターゲットに考えていた」という話を聞いたことがある。しかし、その後コロナ禍となったこともあり、
「物流業界に狙いをつけたら企業側、登録者側双方とも想定以上のニーズがあることがわかった」
と語っていた。
物流倉庫の多くは人手が不足している。パート社員やアルバイトを募集しても希望の人数を充足させられないと嘆く倉庫管理者も多い。従来はどうしても人手が足りないときには
「人材派遣会社が紹介する派遣社員」
を活用することが多かった。しかし昨今は派遣社員に加え、スポットワーカーを活用する現場が増えている。派遣会社から紹介される派遣社員の場合、
「1日4時間以上の雇用が必要」
といったような契約上の縛りがある。スポットワーカーの場合は、雇用する側と働く側が合意すればそのような規定に制約されることなく自由に勤務時間を設定できる。