スキマ時間の単発バイト、なぜか「物流倉庫」がやたら人気なワケ
2024年5月末時点でスポットワーク登録者約2200万人、市場規模は2023年度824億円見込み。物流業界にも進出し、自由な働き方が支持される理由。企業は必要時に人員を確保、労働者は柔軟な勤務時間で自己実現。労働多様化と共に市場は拡大し続ける。
スポットワーカーによる職場魅力化
![スポットワーク仲介サービス市場規模の推移(画像:矢野経済研究所)](https://merkmal-biz.jp/wp-content/uploads/2024/06/240617_butsu_04.jpg)
職場を選ぶ際、以前にその物流倉庫で働いた人たちのコメントを参考にして、
「働きやすそう」
「自分に向いていそう」
といった評価を事前に確認することができる。当然、仕事の教え方が雑であったり、乱暴な言葉遣いをしたりするリーダーがいる、あるいは休憩室が快適でないといった“悪い評価”をつけられた現場は登録者から避けられ、必要な人員を充足させることはできなくなる。たとえその日だけの勤務であったとしても、
「大切な従業員」
という姿勢で接しなくてはならない。そのため、物流倉庫の管理者としても、スポットワーカーを含めた作業者全員が働きやすい職場環境を作り上げることが今後より一層求められる。初めてその現場に来た人に対しては、作業の仕方や注意すべき点などを丁寧に説明し、またしっかり業務を行ってくれた人に対しては感謝の意を伝えるなど、
「またここで働いてみたい」
と思わせる職場にしていかなければならない。スポットワークにおいてもリピーターが来れば、教育の手間を省けたり、少しレベルの高い業務に従事してもらえたりといったメリットも生じる。ワーカーの“よい評価”がさらに応募者を増やすといった好循環につながる。
さらに、スポットワーカーを自社の直接雇用に“引き抜く”ことを推奨している業者もある。ワーカーのなかで優秀な人を自社のパートや正社員として雇用できれば、その現場の戦力は一段と増強されるだろう。