リニアより北陸新幹線「全線開通」が優先か? 南海トラフに備えた大動脈“二重系化”を再考する
リニアの使命のひとつは、災害時に首都圏と西日本の交通を途切れさせないことだ。であれば、北陸新幹線の全線開通を優先すべきだろう。
リニア開業目標断念
建設中のリニア中央新幹線を巡り、JR東海は目標にしてきた2027年開業の断念を3月29日に表明した。
川の水量減少などを懸念し、静岡県が着工を認めなかった静岡工区の遅れが響いた形だが、静岡以外でも、山梨、長野県内の工事が当初目標に間に合わない可能性が4月になって初めて示された。
リニア中央新幹線の重要な使命のひとつは
「大動脈の二重系化により災害リスクに備える」(交通政策審議会)
ことにある。災害時にも、東京圏と西日本の交通を断絶させない、という意味だ。
ならば、優先すべきは南海トラフ地震のリスクも大きいリニア中央新幹線よりも、日本海側を迂回して東西を結ぶことのできる北陸新幹線の全線開通ではないか。