「運転しかできないくせに」 タクシードライバーを平気で“職業差別”する人たちに欠けた現状認識力、彼らはエッセンシャルワーカーである

キーワード :
,
タクシー運転手は過酷な労働環境で働いている。長時間労働と低賃金。十分な休日もない。にもかかわらず、彼らの社会的地位は高くない。インターネット上では、この職業を軽蔑する声さえ上がっている。

交通・運輸業に求められる敬意

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 とりわけ交通・運輸業は、日々の暮らしを支える重要なインフラであり、そこで働く人々なくしては、私たちの生活は成り立たない。

 パンデミック(世界的大流行)の最中にあっても、感染のリスクと隣り合わせで業務を続けてくれた運転手の姿を、私たちは忘れてはならない。多様な仕事の意義と尊さを理解し、互いの人格を尊重し合える共生社会を作り上げることが、今こそ問われているのだ。

 そのためにも、私たちひとりひとりが、ささいな言動から意識を改革していくことが肝要であろう。交通・運輸業で働く人々の立場に立って考え、行動することのできる想像力を持つこと。そうしたひとりひとりの自己変革の積み重ねが、やがては大きなうねりとなって社会を変えていくことだろう。

 タクシー運転手はエッセンシャルワーカーである。「雲助と呼ばないでください」「差別しないでください」などと弱気な態度をとるのではなく、

「あなたにバカにされる筋合いは、これっぽっちもない」

と胸を張ってほしい。タクシー運転手は社会になくてはならない存在なのだ。

全てのコメントを見る