フードデリバリーで働く人は「労働者」と呼べるのか? そもそも労働法はフリーランスを保護できるのか、という根本疑問

キーワード :
, , ,
形式的にはフリーランスだが、実態は労働者に近いというケースが散見される。本書はこうした現状を指摘し、フリーランスの「労働者性」に注目し、保護すべきだと主張する。

欧州での労働者保護の動向

カリフォルニア(画像:写真AC)
カリフォルニア(画像:写真AC)

 しかし、このABCテストの基準が2019年にカリフォルニアで立法化されたが、ロビー活動の結果、多くの職業が適用除外になった。

 ウーバーやリフトやドアダッシュといった配車サービスや配送サービスを行っている会社も大々的なキャンペーンを行い、プラットホームを通じてサービスを提供する運転手については、一定の保護を与える代わりにこの法の適用から除外された。いわば、労働者と自営業者の間の

「第三のカテゴリー」

がつくられた形になっている。一方、欧州では、ギグワーカーをはじめとするフリーランスの労働者性をより広く認めていこうという動きもある。

 ドイツでは、2020年にネット上の画像の加工やアンケートへの回答などを行っていたクラウドワーカーの労働者性を認め、解雇制限法の適用を認めた判決が出ている。

 同じくドイツでは、2021年にフードデリバリーの配達員の自転車とスマートフォンの費用を使用者が負担すべきだとした連邦労働裁判所の判決が出ており、イタリアでは、2020年にボローニャ地方裁判所で、デリバリーの配達員に対し、病気や「正当な理由」(ストライキ)により欠勤を考慮しないアルゴリズムは

「間接的差別」

に当たるとされた判決が出ている。

 日本では2023年にフリーランス新法が公布された。同法によって、フリーランス側に責がないときの受領の拒否、報酬減額、返品、買いたたき、物品を強制的に購入させること、不当なやり直しなどが禁止された。基本的に発注者の資本金が1000万円以上でないと適用されなかった下請法の保護が広くフリーランスにも拡張されたといえる。

全てのコメントを見る