フードデリバリーで働く人は「労働者」と呼べるのか? そもそも労働法はフリーランスを保護できるのか、という根本疑問

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形式的にはフリーランスだが、実態は労働者に近いというケースが散見される。本書はこうした現状を指摘し、フリーランスの「労働者性」に注目し、保護すべきだと主張する。

運転手の労働者性を認めた米国

フードデリバリーのイメージ(画像:写真AC)
フードデリバリーのイメージ(画像:写真AC)

 ウーバーイーツではほぼすべての配達を配達パートナーが行っており、事業組織への組み入れが認められた。また、契約内容が一方的・定型的に決定されているとし、業務を行うか否かの自由はあったものの配達員の裁量は小さく、広い意味での指揮監督下にあることも認められた。

 しかし、団体交渉については労務提供者の労働者性とともに、交渉相手の「使用者性」も問題になる。

 例えば、アマゾンの宅配では、アマゾンの下請け会社が配達員と業務委託契約をするという形をとっている。個人事業主である配達員は、アマゾンのアプリで配達先や労働時間を管理されているが、配達員はアマゾンと直接契約しているわけではない。

 この場合、形式的な使用者は下請け業者だが、

「実質的な使用者はアマゾン」

だとも考えられる。そこでアマゾンこそが使用者であることを認めさせる必要性がある。これが使用者性の問題である。

 配達員が労働組合をつくってアマゾンと団体交渉をしようとする場合、まずは運転手と下請け会社の間の契約に労働者性が認められることが必要で、さらにアマゾンの使用者性が認められることが必要になるのだ。

 では、海外ではどのようになっているのだろうか。ギグワーカーの問題が最も早くから問われてきたのが米国だ。米国では、2018年にカリフォルニア州の最高裁が宅配便の配送を行う運転手の労働者性を認め、基準として「ABCテスト」を提示した。

 ABCテストとは次の三つの基準に基づき労働者性が推定され、使用者が労働者でないことを立証しなければならないというものである。

・A:委託者による指揮監督を受けていないこと
・B:委託者の通常の事業過程に含まれない仕事を提供していること
・C:独立の事業者として当該職業ないし事業を行っていること

 例えば、宅配ドライバーやウーバーの運転手は、まさにBの通常の事業に含まれるサービスそのものを提供していることになるので労働者性が推定されることになる。

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