国内線49便遅延も「JALシステム障害」が最小限の被害で抑えられたワケ

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JALで16日早朝、搭乗手続きや予約などを管理するシステムに障害が発生。国内線49便が30分以上遅延し、合計4125人に影響が出た。社外とのネットワークを接続するシステム機器の故障が原因。

会社側と利用客側のデメリット

羽田空港第2ターミナルに駐機するANA機など(画像:シカマアキ)
羽田空港第2ターミナルに駐機するANA機など(画像:シカマアキ)

 過去の事例を見ても分かるとおり、航空会社にとってシステム障害が一度起きるとその影響は非常に大きい。特に運航に関わるシステム障害の場合、出発便の遅れや欠航につながるケースが多々ある。

 飛行機の便は、到着してから次に出発するまでの時間が国内線の大手航空会社で1時間程度。この時間内に機体への給油や機内清掃などが速やかに行われるため、時間的な余裕はほぼない。しかも、1機で1日何便も運航するのが一般的だ。到着や出発が少しでも遅れると、その後の便にも遅れが生じ、さらなる影響が出ることになる。

 利用客にとってもシステム障害は面倒だ。特に日々忙しいビジネスパーソンだと、少しの遅れでも仕事に影響する。飛行機の場合、便数がもともと少ないうえ、立地が不便な地方空港も多い。東京 = 大阪のような新幹線との競合区間ならまだしも、地方であれば他社便や地上交通などのほかの移動手段への振替も、容易ではない。