京都市の「観光公害」も解決? まだまだマイナーな「手ぶら観光」、驚くべきその効果とは

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「手ぶら観光」とは、旅行者がスーツケースなどの荷物をいったん預けたり、宿泊先などへ配送してもらったりして、手ぶらで観光を楽しめるようにする各種サービスだ。その秘めたる可能性とは。

「手ぶら観光」とは何か

京都市バス(画像:写真AC)
京都市バス(画像:写真AC)

「手ぶら観光」という単語を最近よく目にするようになった。手ぶら観光とは、旅行者がスーツケースなどの荷物をいったん預けたり、宿泊先などへ配送してもらったりして、手ぶらで観光を楽しめるようにする各種サービスだ。

 手ぶら観光サービスを利用すれば、観光客は目的地に到着したらすぐに観光に出掛けられる。滞在時間を有効活用でき、観光名所にありがちな石だたみや階段などを心配することなく、ストレスフリーで旅を満喫できる。

 最近よく耳にするような気がするが、実は手ぶら観光は2020年の東京オリンピックを見据えて国土交通省が提唱したサービスである。しかし、2022年まで続いた新型コロナウイルスの感染拡大に対する水際対策によって観光客が姿を消し、その間、手ぶら観光は活躍の場も脚光を浴びる機会もなかった。

 何しろ、2019年の新型コロナ以前には年間3000万人を超えていたインバウンド(訪日外国人)が、2020年には一気に400万人へと激減し、2021年には25万人にまで落ち込んだのだ。

 インバウンドの激減は、経済に大きな打撃を与えた。インバウンドの増加を見越したホテルなどの建設ラッシュや民泊の開業ラッシュで、観光・接客業は大打撃を受けた。2023年春に“鎖国”が解除されると、状況は急速に回復に向かい、観光産業はようやく活気を取り戻した。

 アフターコロナのインバウンド需要は伸び続け、2023年は9月までに1700万人を超え、コロナ以前の水準に戻った。そして、国内観光客を含めた観光客数の急増により、手ぶら観光がいよいよ脚光を浴びつつある。

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