宇都宮ライトレールと路線バス「連携」に多くの課題 接続“5本に1本”は不便すぎ、改善は欧米から学べ

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大きな期待を背負って、8月26日に開業した宇都宮ライトレール。既存のバス路線と同線の関係はどのようになっているのか。

ハード面のさまざまな課題

運行最終日の宇都宮駅東口行きバス(画像:橋爪智之)
運行最終日の宇都宮駅東口行きバス(画像:橋爪智之)

 一方で、ハード面についてはどうだろうか。

 路線網を再構築し、LRTとの連携を考慮しているバス路線だが、LRTとの乗換駅は、対面もしくは同一ホーム乗り換えのような形になっておらず、せっかくの乗換駅もLRTとバスの乗り場は別々にわかれている。

 地域の中枢となる宇都宮駅は、在来線のみならず新幹線も乗り入れるターミナル駅で、利用客数や乗り入れてくる交通機関の数を考慮すれば、各交通機関で乗り場を分ける必要があるので仕方がない。

 だが、バスターミナルが設けられ、周辺からのバス路線を接続させている駅東部の清原地区市民センター前は、同じ平面上であるのにも関わらず、LRTとバスの乗り場は柵で隔てられて分断されており、しかも屋根が続いているわけではないので、雨が降ればぬれてしまう。

 LRTは、地下鉄や新交通システムなどと異なり、道路上に線路を敷設し、平面で移動できる点がひとつの特徴として挙げられる。バスなど他の道路交通との接続という面で、本来は非常に有利であるはずだが、これではせっかくの利点も生かし切れているとは言い難い。

 路面電車とバスが同じホームを使うやり方は、欧米では一般的となっているが、日本はこうした細かい部分において、法令などを含めて旧態依然としたシステムから脱却できていないという印象は拭えない。これは鉄道会社ではなく、

「行政側の問題」

である。

 また乗り換えのバスも、LRTが12分間隔なのに対し、おおむね60分間隔というのも感心しない。需要との兼ね合いはあるかもしれないが、5本に1本しか接続しないのでは、地域住民にとって利便性がよいとは言い難い。せめて、

「2本に1本」

は接続できるようにした方がよいのではないか。

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