旅行先で急病になったらどうなる? 飛行機使った搬送手段「メディカルウイング」をご存じか

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2023年、固定翼機を活用した「メディカルウイング」が2024年4月の本格稼働に向け、準備を進めている。いったい何を行うのか。

北海道の医療課題

メディカルウイング(画像:中日本航空)
メディカルウイング(画像:中日本航空)

 2023年、日本重症患者ジェット機搬送ネットワークが設立し、固定翼機を活用した「メディカルウイング」の2024年4月の本格稼働に向け、準備を進めている。以下、同ネットワーク参画中の中日本航空(愛知県豊山町)が紹介する事例だ。

「北海道旅行中に一時心肺停止となり、蘇生後の状態で搬送。北海道から関西国際空港経由で和歌山の病院へ無事搬送」

 北海道では、上記を例に成人搬送や年40件程度の重症小児患者搬送が発生している。これは、北海道の面積が広く、医療資源が大都市圏に集中しているため、へき地の重症患者が高度な医療を受けることが難しいからである。

 また、重症患者における航空搬送ガイドラインが未整備状態のため、搬送時の混乱や質の確保も課題である。

 これらの課題を解決するため、同ネットワークは設立された。本稿ではメディカルウイング構想と大手航空会社の搬送方法を解説し、より安全な重症患者搬送に向けた、航空機医療搬送の取り組みを紹介する。

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