テスラが「航続可能距離」を水増し? ロイターが7月下旬報道、公式見解ナシで結局何だったのか
ロイターが発表したリポート

ロイターは2023年7月27日、「Tesla created secret team to suppress thousands of driving range complaints(テスラ、数千件の航続距離に関する苦情を抑えるために秘密チームを結成)」というリポートを発表した。
それはテスラが自社の製品である電気自動車(EV)に対して行っていた不正行為疑惑についてだ。具体的には、ダッシュボードに表示される走行可能距離を意図的に長めに操作していたのではないか――というものだった。これが事実であれば大問題である。
ただしこの問題の詳細については最初から情報内容が不鮮明だった。通常、こうした企業不正問題は大々的に報道されるが、この件については第一報が一部のネットメディアを通じて知らされたけで、続報はなかった。これは1か月以上過ぎた現在も変わらない。大手メディアや新聞などで取り上げられることもなかった。これは企業の不正疑惑に関する報道としては違和感が大きい。それではどういったことが問題とされたのか。現在わかっている範囲で解説したい。
まず大前提としてロイターが問題を知るきっかけとなったのは、テスラ関係者からの内部リークだった。それによると、走行可能距離不正操作が行われていたのは2013年頃のモデルSとモデル3に対してというものだった。
テスラにおける走行可能距離の表示は、バッテリーの使用状態と走行状態を総合的に演算し、そこから具体的な距離を推定して表示するというシステムである。テスラはこの演算アルゴリズムに手を加え、実際に走行可能な距離よりも長めに表示する様に手を加えていたという。
しかし10年前とは随分と古い話である。モデルSとモデル3は現在も生産されている現行モデルである。問題のアルゴリズムが今も使われているかについては、現時点で不明であるとロイターは伝えた。