テスラが「航続可能距離」を水増し? ロイターが7月下旬報道、公式見解ナシで結局何だったのか

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2023年7月27日、ロイターは衝撃的なリポートを発表した。それはテスラが自社の製品である電気自動車(EV)に対して行っていた不正行為疑惑についてだ。

テスラの公式見解なし

テスラのウェブサイト(画像:テスラ)
テスラのウェブサイト(画像:テスラ)

 この疑惑報道について、当のテスラは公式での見解などは一切発表していない。ただしテスラが顧客からの走行可能距離不足に関するクレームと保証対応も含めた緊急の整備要請に長年苦慮していたのは事実である。

 その結果、2022年なって新たな苦情処理の専門部署を立ち上げることとなる。これはテスラが問題の根本解決を9年間も放置していたということなのだろうか。

 この件についても詳細を調べると、テスラ側は決して放置していたわけではなかったことがわかる。テスラのサービス部門は、顧客からの航続距離不足クレームに対して当初からサービスマンを派遣する、サービス工場を手配するなどして対応に当たっていた。しかしそうしたクレーム処理の過程で、実際に車両側に深刻なトラブルが見つかった例はほとんどなかったという。

 一般的にこうした人を動かすサービスは一番コストが掛かる。車両の保証期間中であれば負担は全て会社持ちである。こうしたことは、安定した経営を継続する上で好ましいことではない。要するにテスラが新たな苦情処理部門を設置したのは、あくまでサービスコスト削減が目的だったということである。

 新たな苦情処理部門では、人的なサービス手配の前にまずは遠隔での車両故障診断とアドバイスに切り替えたともいわれている。その結果、クレーム1件につきおおむね1000ドルの経費削減に成功したとも。

 一方、このことがさらなる疑惑と誤解を招いたことも否定できない。一部のユーザーから寄せられた

「当初のサービス予約をキャンセルされ遠隔診断で問題なしとされた。これは遠隔診断の名を借りた組織的なクレーム隠しではないか」

という指摘である。ユーザー側のこの指摘は心情的には理解できる。しかし故障ではないとの判断を否定するには明確な根拠が必要となる。そして現時点において多くの事例でそれはない。

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