コンテナ市場の覇権争い 近年「リース会社」が集約し始めているワケ

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世界における海運会社のコンテナ保有のシェアは、2021年時点で43.8%である。リース会社が60%弱で海運会社を少し上回る。

「コンテナ」の6割弱、リース会社保有

コンテナ船のイメージ(画像:写真AC)
コンテナ船のイメージ(画像:写真AC)

 2021年末時点で世界のコンテナは4989万TEU(20ftで換算したコンテナ個数を表す単位)、3113万個あった。そのうちISO規格に準拠した8ft幅のものは4813万TEU、3020万個である。

 コンテナの大部分は、

・海運会社
・コンテナリース会社

が保有している。そのため、コンテナで荷物を輸送する場合、海運会社が保有しているか、リース会社から借り受けたコンテナを使用する。リース会社は金融機関や投資家から資金調達を受け、コンテナを建造したのちに保有するコンテナを海運会社に貸し出している。

 世界における海運会社のコンテナ保有のシェアは、2021年時点で43.8%である。リース会社が60%弱で海運会社を少し上回る。2006年ごろから海運会社のシェアが増加し、2009年の金融危機の前には海運会社保有コンテナのシェアが約60%まで増加した。

 その後、リース会社保有のコンテナが大きくなる傾向が続いている。2010年代、海運会社が市況悪化に苦悩するなか、コスト削減を企図して大型コンテナ船の投入を進めた一方で、新造コンテナへの投資を控えてコンテナの箱をリース会社から調達する比率を高めてきたためである。

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