中国が牛耳る「コンテナ製造」 シェア“ほぼ100%”も、リスク回避で新勢力が覇権揺るがす
国際貿易において欠かすことのできないコンテナ。そんなコンテナの基本情報と歴史をたどる。
貿易を支える巨大な箱

コンテナ輸送は、国際貿易において欠かすことのできない存在である。
現在では約1億8000万TEU(20ftで換算したコンテナ個数を表す単位)の貨物が1年で運ばれ、約8億5000万TEUのコンテナが港で積み下ろしされることで、われわれの日々の生活を支えている。
歴史的に見れば、コンテナは国際貿易を伸展させるとともに、サプライチェーンを大きく広げ、グローバリゼーションを大きく進展させた立役者のひとりだった。標準化がもたらしたイノベーションとしてのコンテナ化の話は『コンテナ物語』(マルク・レビンソン)を通じて知った人も多いと思われる。
輸送の主役のひとつ、コンテナ船に関しては、最大のもので400mを超えること、近年は大型化が進んで2005(平成17)年に1万TEU積みのコンテナ船が就航してから20年弱で2万4000TEU積みにまでなっていることなど、さまざまな観点から注目がなされている。コンテナ港の規模の大きさ、日本の存在感が小さくなっていることなども多く知られるようになってきた。
今回の記事では、輸送において重要な役割を果たす、標準化されたコンテナの箱についてどのくらいの量が存在して、どのように生産されてきたかなど、基本的な事実と歴史について簡単に述べていきたい。