コンテナ市場の覇権争い 近年「リース会社」が集約し始めているワケ

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世界における海運会社のコンテナ保有のシェアは、2021年時点で43.8%である。リース会社が60%弱で海運会社を少し上回る。

主なコンテナリース企業

トライトンのウェブサイト(画像:トライトン)
トライトンのウェブサイト(画像:トライトン)

 リース会社は近年集約が進んでおり、2008年時点で上位6社コンテナ保有シェアは69%であったが、2021年には

「90%」

まで増加した。

 約725万TEU、28.4%のシェアを持ちトップシェアのトライトンと、約432万TEU、16.9%のシェアを持つテックステイナーはともに法人税の存在しないバミューダに本拠地を置いている。両社はそれぞれ、年平均約7%で保有コンテナを増やしている。2023年4月には、投資会社ブルックフィールド・インフラストラクチャー・パートナーズがトライトン・インターナショナルの買収を発表した。

 3位のフローレンスは約387万TEUで15.1%のシェアを持つ。同社は香港に本拠を置き、中国の国有海運会社コスコの傘下にある。二社合計で4位に位置していたCAIとビーコンのシェアは14.8%、379万TEUで、米国に本社がある。いずれも三菱HCキャピタルの傘下にある。同社は2014年にビーコンを、2021年にCAIを買収して2023年1月にCAIを存続会社として両社を統合した。

 5位のシーコのシェアは9.9%で、252万TEUのコンテナを保有している。同社はもともとGEキャピタルとシーコンテナ社の合弁事業として始まったものの、現在は中国のリース会社、渤海租賃有限公司の傘下にある。さらに米国に本拠を置くシーキューブはシェア5.0%、128.7万TEUを保有している。

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