山梨県に「空港」は必要なのか? 県知事が会見でブチ上げ、過去の教訓はどこへ行ったのか
山梨県が県内に空港を設置する可能性について、調査業務の発注を告知したことが注目されている。果たして、山梨県に空港は必要なのか。
コミューター空港における過去の失敗

小型機の発着をメインにしても、需要があるかは疑問だ。
小型機をメインにしたコミューター空港は1980年代に
「多極分散型国土の形成」
の手段として注目され建設が促進された。しかし、実際に旅客機が発着する空港となったのはわずかだ。
鹿児島県枕崎市は1991(平成3)年、約20億円をかけて全国初となる小型機専用の枕崎空港を開港した。しかし、年間3万人の旅客数予測は大きく外れ、1992年の
「4362人」(予測の15%)
が最高であった。
定期路線も撤退した空港はすぐに廃止が検討され、一時は
「風光明媚(めいび)の癒やしの刑務所」
を売り文句に、刑務所誘致を行い話題となった。結局、空港は2013年をもって廃止され、現在はヘリポートが残されているだけだ。
2000年に開港した熊本県天草市の天草空港は、就航見込みが立たなかったことから第三セクターの天草エアラインが設立され、天草~福岡・熊本間などの路線を運営している。
天草が人口の多い離島という事情もあり、それなりの需要はあるが運営は厳しい。コロナ禍前の2019年には機材故障などで欠航が相次いだこともあり、搭乗率が
「42.5%」
まで落ち込む事態も起こっている。また、運賃が高いため、ビジネス客の利用はあるものの、住民で空港を利用する者は決して増えてはいない。
山梨県に空港ができても、そうならない保証はない。冒頭で述べたように、長崎県知事は羽田空港の補完機能を強調しているが、羽田空港への新たな路線ができるかどうかは未知数である。いずれにせよ、山梨空港の調査はあくまでも調査である。結局のところ、結論は「不要」なのかもしれない。