山梨県に「空港」は必要なのか? 県知事が会見でブチ上げ、過去の教訓はどこへ行ったのか
山梨県が県内に空港を設置する可能性について、調査業務の発注を告知したことが注目されている。果たして、山梨県に空港は必要なのか。
長崎・山梨県知事の構想
山梨県が県内に空港を設置する可能性について、調査業務の発注を告知したことが注目されている。果たして、山梨県に空港は必要なのか。
今回の調査のきっかけとなったのは、山梨県の長崎幸太郎知事の構想だ。2022年5月26日の記者会見で示された長崎知事の構想は、リニア中央新幹線駅(甲府市)との間で短時間でのアクセスが可能となる場所に、48人乗り程度の小型ジェットやプライベートジェットの発着が可能な滑走路などを設置するというものだ。
現在、建設が進められているリニア中央新幹線の「山梨県駅(仮称)」はJR身延線小井川駅(中央市)の近くが予定されている。長崎知事によれば、この空港をつくることで、リニア中央新幹線の品川~甲府間の需要拡大をつくり出し、
「リニア山梨県駅へのより高頻度の発着実現に寄与する効果」
が、考えられるという。
リニア新幹線が開通すれば品川~山梨間は約24分となり、品川~羽田空港と移動時間が大差なくなる。そのため、山梨空港は羽田便が就航できない地方の小さな空港と首都圏を結ぶ空港として機能するようになるとしている。
これが実現すれば、1時間に1本程度と見込まれるリニア新幹線の山梨県内停車本数も増える。