ビッグモーター問題、「不正車検」「保険金不正請求」を混同してはいけない! 刑事告発も時間の問題 ゆえに冷静さが必要だ

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中古車販売大手ビッグモーターを巡る問題は、単なる不正などで処理すべき問題ではない。先の不正車検にともなう行政処分と今回の保険金不正請求はしっかりと分けて考えなければいけない。

組織的な不正

中古車販売大手のビッグモーターの看板。東京都。2023年7月17日撮影(画像:時事通信フォト)
中古車販売大手のビッグモーターの看板。東京都。2023年7月17日撮影(画像:時事通信フォト)

 2023年3月に熊本県で発覚した、中古車販売大手ビッグモーターの不正車検問題。6月には栃木県の別店舗でも同様の不正が発覚した。

 これらの店舗が不正に手を染める理由となったのは、一部の車種に必要だったスピードメーターに関する検査設備を所有していなかったことだ。検査を実施するためには特別の手順が必要だった。その結果、問題の店舗では検査を行うことなく書類を改ざんするという不正を行った。

 こうした度重なる不祥事は、最終的には店舗レベルでの問題などではなく、会社の上層部も含めた

「組織的な不正」

いう疑惑を生むこととなる。そんななか、今度は別の不正が発覚する。それは自動車損害保険金不正請求だった。

不正請求金額は約5000万円

ビッグモーターの本社が入る六本木ヒルズ森タワー(画像:写真AC)
ビッグモーターの本社が入る六本木ヒルズ森タワー(画像:写真AC)

 実はこの問題は不正車検より前に、一部のマスコミを通じて報じられていたことだった。それに対してビッグモーター側は、外部の第三者による特別調査委員会を通じての問題解明を約束する。

 これが2023年1月30日のことである。この特別調査委員会は約半年の調査期間を経て、不正請求が行われたという当該保険会社に対しての報告書が提出された。そこに記載されていた内容が今回発覚した問題だったというわけである。

 ビッグモーターが行った保険金請求不正の手口は、まさに驚くべきものだった。顧客から預かった修理車に対して、保険金請求金額を水増しするためにさらに故意に傷を付ける。修理箇所の傷等を同様に故意に大きなものとする。

 その手口は書類の改ざんなどではなく、顧客の財産である車両に対して実際に傷を付けていた。すなわち器物損壊に当たるという刑事案件そのものだった。

 不正請求の件数は今回判明したものだけで少なくとも1275件。請求金額はおよそ4995万円に上るともいわれている。不正は5年前から行われていたともいわれており、完全に組織的な不正だったことは否定できない。

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