中古車で一儲け? 近年「納屋」で放置されていたクルマに高査定が連発しているワケ
高査定を得る中古車とは

中古車市場で高査定を得ることができるクルマとはどういったものだろうか。
・高年式
・低走行距離
・新車に近いコンディション
・人気カラー
・人気グレード
いずれも正解である。
加えてヒストリックカー(旧車)などでは「フルレストア済み」なども高査定が生じる条件のひとつだろう。要するに高査定が出る背景にあるのは、元々のコンディションが良いか、お金を掛けて補修しているかのいずれかということだ。
その一方で、ここ10年ほどの間に欧米で大きくクローズアップされることとなったある評価軸が、わが日本にも波及し始めている。それは一般には
「バーンファインドカー」
と呼ばれる存在。そしてそこからさらに波及した「プリザーブドカー」という存在である。
「バーンファインドカー」とは何か

バーンファインドカーは英文では「Barn Find Car」と表記する。「Barn」とは「納屋」の意味であり、要するに納屋のなかで発見されたクルマということだ。一般にクルマは保管する場合はガレージにというのが定番である。
対して納屋で見つかったということは、動かすことなく放置されていたということだ。当然、そのコンディションは良くはない。塗装は痛みタイヤの空気は抜けているだろう。エンジンは掛からないだろうし、内装はカビだらけかもしれない。要するにポンコツである。
しかしそんなバーンファインドカーのなかには、単に長年放置されていたクルマだけではない個体もあった。具体的には新車からさほど時間がたっていない状態で何らかの理由で放置せざるを得なかった個体。当然、塗装も内装もエンジンも全て新車時のオリジナル。ところどころ痛んではいても製造された当時の状態だった。
単なる放置なら屋外に置けばそれで済む話でもある。しかし間借りなりにも雨風の当たらない納屋に入れたということは、それなりに「大切にしたい」という意思があったのだろう。
塗装の傷み、サビ、ヘコみなどは一般的にはそれまで雑に扱われてきた結果として評価査定の上ではマイナスとなる。しかし、オリジナルであるという観点から見れば逆に高査定の要因である。