福岡空港の“門限”は緩和すべきか? 九州活性化の糸口も、その裏にある根深い「騒音問題」 アクセス最強空港ゆえの消えぬジレンマとは

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福岡空港はその利便性ゆえ、航空機の騒音が近隣住民との間でたびたび問題となってきた。今回のダイバート実施で状況は変化するのか。

北九州空港は代替になりえるのか

航空・空港管理状況(画像:国土交通省)
航空・空港管理状況(画像:国土交通省)

 北九州空港では、ダイバートの受け入れモデルがすでに出来上がっている。

 北九州空港をベースとする独立系航空会社・スターフライヤーの羽田~北九州の最終便は、羽田空港22時発、北九州空港23時40分着となっている.

 22時以降の到着便の利用者は、天神や博多駅方面へ向かう

・福北リムジンバス
・エアポートバス

を使って、福岡市内まで向かえる。また、福岡空港が開く午前7時以前の便に対しては、北九州空港へのリムジンバスが午前4時から運航されている。このように、北九州空港はすでに深夜早朝の代替飛行を想定した取り組みを、スターフライヤーで実現しているのだ。

 現在、北九州空港へダイバートできる航空会社は、同空港へ就航しているJALとスターフライヤーのみであり、福岡空港へ就航しているANAやスカイマークが門限に間に合わない場合の体制は整っていない。

 しかし、今回JAL機に対してスピード感ある受け入れ体制を整えた北九州空港ならば、今後さらなる門戸開放もありえるだろう。

「九州の成田空港」狙えるポテンシャル

北九州空港(画像:写真AC)
北九州空港(画像:写真AC)

 北九州空港には現在、

・国内線:JAL、スターフライヤー
・国際線:ハイエア、ジンエアー(ともに韓国)、中国東方航空(現在運休中)

が就航しているものの、空港側は北九州市の活性化や発展のため、空港機能をさらに強化していきたい思惑がある。

 北九州空港は博多天神までバスで70分の距離であり、成田空港から東京駅への所要時間に近い。現在、滑走路は2500mのものが1本あるが、将来的には大型機や長距離国際貨物機の定期便就航を目指して3000m級まで延伸したいという目標もある。福岡県内にとどまらない

「九州の成田空港」

の立ち位置を狙えるポテンシャルがある。

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