福岡空港の“門限”は緩和すべきか? 九州活性化の糸口も、その裏にある根深い「騒音問題」 アクセス最強空港ゆえの消えぬジレンマとは

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福岡空港はその利便性ゆえ、航空機の騒音が近隣住民との間でたびたび問題となってきた。今回のダイバート実施で状況は変化するのか。

福岡空港とその騒音問題

福岡空港(画像:写真AC)
福岡空港(画像:写真AC)

 福岡空港の門限は、これまでも頻繁に話題となっていた。その原因は、福岡空港の持つ最大のメリットと“背中合わせ”となっている。

 メリットとは、福岡市内中心地へ地下鉄でわずか5分という「最強アクセス」である。夜間・早朝の利用制限は、その代償なのだ。

 福岡空港はその利便性ゆえ、航空機の騒音が近隣住民との間でたびたび問題となってきた。1972(昭和47)年には、航空機騒音防止法により

「特定飛行場」

に指定され、福岡市による

・防音工事
・空調機器の更新工事(夏場に窓を開けられないため)

などへの補助が騒音区域内へ行われた。1976年には、近隣住民が21時から午前7時までの

「夜間の飛行停止」

を求めて訴訟を起こしている。このような背景が要因となり、門限の緩和は話題に上がりつつも具体策はなかなか生まれなかった。

 ただ近年は、航空機の騒音も昔と比べて軽減されたといわれており、福岡空港の門限について再考を主張する人も増えてきた。

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