国際線では不人気も 国内線の「プレミアムクラス」がキャンセル待ちレベルの人気なワケ
国際線のプレミアムクラス需要が減少している。しかし国内線に注目してみると、国際線とは異なる側面が見えてくる。
支持を得るのはJALとANAどちらか

導入路線数でいえばANAが圧倒的に多いが、プレミアムクラスに開放されているラウンジクラスはJALに軍配が上がる。
料金設定においても、JALのファーストクラスはANAと比較して1万円ほど価格帯が低く設定されており、コストパフォーマンスの高さも伺える。
当日空席がある際の、普通席からのアップグレード料金も同様で、羽田―福岡便ではJALのファーストクラスへの追加料金は1万円、一方でANAプレミアムクラスへは1万5000円の追加料金が必要となっている。
利用者がそのサービスのファンになってくれるかどうかは、さまざまな要素が重なって決まるので、一概に料金やサービスの有無で判断はできないが、現時点ではJALのファーストクラスがより魅力的に感じるのは確かだろう。
国内プレミアムクラスへの需要と将来性

格安航空会社(LCC)や、フルサービスかつ低価格をうたう地域独立系航空会社の台頭で、価格競争は激化している。
しかし大手であれば、ラウンジサービスや充実したステータスプログラムなど、利用者の具体的なニーズを満たすような戦略で他社との差別化が可能だ。
長期的なビジネス戦略として、単価の高いプレミアムクラスでの顧客獲得がカギになるのは間違いない。
・出張の利用頻度が高いビジネスマン
・ステータスホルダーを目指す富裕層
など、彼らのニーズをつかんで離さないような付加価値をいかに早く見つけ出し、アピールしていくかが、大手航空会社には重要となるだろう。