国際線では不人気も 国内線の「プレミアムクラス」がキャンセル待ちレベルの人気なワケ
国際線のプレミアムクラス需要が減少している。しかし国内線に注目してみると、国際線とは異なる側面が見えてくる。
プレミアムクラス導入の歴史

国内線のプレミアムクラスの歴史は、1985(昭和60)年にANAがスーパーシートを導入したことから始まった。続いて1986年、JALもスーパーシートを導入した。
その後2004(平成16)年、JALがサービス内容を減らしつつ料金も下げることで、幅広い層へのアピールを狙った「クラスJ」を打ち出す。ANAは逆に料金を上げ、より上質な高級路線の「スーパーシートプレミアム」をスタートし、上級クラスの囲い込みを行った。
その後、「ファーストクラス(JAL、2007年)」「プレミアムクラス(ANA、2008年)」と、それぞれリニューアルを繰り返し、現在の
・ゆったりとしたシートピッチ
・全便での機内食提供
・ラウンジの提供
などがプレミアムクラスの定番サービスとなっていった。プレミアムクラスの歴史はANAとJALの
「顧客争奪戦の歴史」
といっても大げさではないのだ。
2023年現在、JALのファーストクラスは次の8路線でサービスが実施されている。機材はA350-900型(座席数369席、ファーストクラス12席)、およびB787-8型(座席数291席、ファーストクラス6席)だ。
●東京(羽田)―札幌(新千歳)
―大阪(伊丹)
―広島
―福岡
―鹿児島
―沖縄(那覇)
―石垣
●大阪(伊丹)―沖縄(那覇)
ANAは地方都市も含め、100以上の路線でプレミアムクラスを提供しており、B777型をメインに11種類の機材を使用している。