スペースジェット失敗に漂う壮大な「虚無感」 国家プロジェクトを破壊する“縦割り行政”と今なお続く“対米従属”の宿痾とは

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三菱スペースジェット(旧MRJ)の開発企業であった三菱航空機は、社名を「MSJ資産管理株式会社」へ変更し、事業の清算会社となった。事業の失敗には、日本という「国のあり方」そのものが、その根底として関わっている。

縦割り行政の弊害

国土交通省(画像:写真AC)
国土交通省(画像:写真AC)

 筆者(ブースカちゃん、飛行機オタク)は、過去に本媒体へ寄稿した記事「なぜ国産旅客機「MRJ」は失敗したのか 現場技術者に非はなかった? 知られざる問題の本質とは」(2023年1月9日)で、日本の行政における

「航空機審査能力の欠如」

が、本プロジェクト失敗の本質であることを指摘した。

 この問題については検証会議でも取り上げられる様子だが、これは国土交通省の所轄であり経済産業省の問題ではない。

 しかし、このことを踏まえずにプロジェクトを立ち上げた責任は経済産業省にあり、他の事業でも同様の欠陥を抱えている可能性は、非常に高いのではないだろうか。

 省庁間の縦割り行政といえば単純だが、大昔から指摘されてきたこの問題が、

「国家プロジェクトの頓挫を招くほど深刻」

なものであることを、日本政府と国民は深く認識するべきであろう。

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