スペースジェット失敗に漂う壮大な「虚無感」 国家プロジェクトを破壊する“縦割り行政”と今なお続く“対米従属”の宿痾とは
三菱スペースジェット(旧MRJ)の開発企業であった三菱航空機は、社名を「MSJ資産管理株式会社」へ変更し、事業の清算会社となった。事業の失敗には、日本という「国のあり方」そのものが、その根底として関わっている。
事業責任は経産省にあり

本事業は、経済産業省の「環境適応型高性能小型航空機」プロジェクトによって進められたものであり、事業の責任を負うのは
「経済産業省」
である。同省では検証のための会議を立ち上げると報じられており、ここでは外部の有識者も交え、三菱重工業や政府内からのヒアリングも行うという。
巨額の国費を費やした事業であり、多くの企業や自治体などに与えた影響を考えれば、こうした検証会議を設けるのは当然である。しかし、その検証によって、
「過去の失敗を掘り返すだけ」
では意味がない。検証の目的を明確にし、なにをどう変えるのかを宣言し、その成果を後日きちんと判定できるようにしておくことが重要である。