「お客様は神様ではない」 秋田のバス会社“クレーマー反論広告”に見る、カスハラ被害の深刻さ 暴言は拳よりもタチが悪い

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秋田県能代市で路線バスやタクシーを運行する第一観光バスは3月中旬、地元紙に「お客様は神様ではありません」という意見広告を掲載。ネットでたちまち話題となった。今話題の「カスハラ」について考える。

暴力からクレームへの転化

クレーマーのイメージ(画像:写真AC)
クレーマーのイメージ(画像:写真AC)

 現在カスハラと呼ばれているものが社会問題となったのは、2010(平成22)年を越した頃からだ。

 前述のとおり、日本民営鉄道協会の統計によれば、暴力事件そのものは2011年以降、減少傾向にある。ただ、それは暴力的な迷惑客が単に理不尽なクレーマーへと変身しただけではないのか。つまり、直接的ではない分

「より陰湿になっている」

と予測できる。

 冒頭の能代市のような人口の少ない地方都市ですら、バス会社が音を上げるほどのカスハラが起きているのなら、大都市圏では推して知るべしだ。

 とはいえ、交通事業者へのカスハラはまだ直接的な暴力行為が目立つため、対策もそちらに寄ってしまっている。

・暴言
・何度も同じ内容を繰り返すクレーム
・威嚇/脅迫

などには今後どう対応するのか。鉄道・バスにかかわらず抜本的な調査が求められる。

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