「お客様は神様ではない」 秋田のバス会社“クレーマー反論広告”に見る、カスハラ被害の深刻さ 暴言は拳よりもタチが悪い
秋田県能代市で路線バスやタクシーを運行する第一観光バスは3月中旬、地元紙に「お客様は神様ではありません」という意見広告を掲載。ネットでたちまち話題となった。今話題の「カスハラ」について考える。
イライラ中年サラリーマンの増加

ともあれこの時期に主体だったのは、職員に対しての暴力より、乗客間の暴力だった。であれば、その矛先が職員に向けられるようになったのはいつ頃からなのか。
新聞紙上で職員に対する暴力の問題が報じられるようになったのは、20世紀末からである。1999(平成11)年11月17日付の『読売新聞』朝刊では、駅員を暴力から守るため、首都圏の鉄道と警察当局が連携した「暴力・迷惑行為追放キャンペーン」が実施されていることを報じている。
同記事には、JR東日本の駅員に対する暴力行為の発生件数が記されている。
・1996年度:149件
・1997年度:183件
・1998年度:191件
1999年は4月から9月までの6か月間だけで、114件にのぼった。記事によれば、加害者の47%が40~50代。ゆえに記事では
「同社(注:JR東日本)では「不況やリストラの影響でイライラしている中年サラリーマンが増えているのかもしれない」
と分析している。
暴力行為の増加は、駅の運営そのものも変化させている。新宿駅では2000年からガードマンによる巡回作業を開始し、被害の防止を図っている。このとき、新宿駅では改札窓口の改造も実施され、
・駅員が客と距離を保てる構造
・周囲から見えやすいオープンカウンター
を導入している。どちらも、現在では当たり前に普及しているが、その背景には乗客からの暴力の増加があったようだ。