スイスで「フリーゲージトレイン」運行開始 知られざる現地の“軌間可変装置”をご存じか

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スイスのモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道にフリーゲージトレインが運行を開始した。ただ日本と規格や条件が全く異なる。

判明した異常な摩耗

狭軌の機関車がけん引して軌間可変装置(地上側設備)を通過、車輪幅を変換中のゴールデンパスエクスプレス。通過する速度は15km/h(画像:橋爪智之)
狭軌の機関車がけん引して軌間可変装置(地上側設備)を通過、車輪幅を変換中のゴールデンパスエクスプレス。通過する速度は15km/h(画像:橋爪智之)

 ゴールデンパスエクスプレスの愛称で、モントルーとインターラーケンの間で華々しく運行を開始した軌間可変車両だったが、2023年2月に行われた線路の保守点検において、軌間可変車両が通過する標準軌区間の一部のポイントで異常な摩耗が判明した。

 さらなる調査が必要ということで、3月中旬から同車両の運行を中止している。MOBとBLSの両社は、異常摩耗の原因を特定するため、引き続き原因の調査を行っている。

 数年にもわたるテスト走行を経て、ようやく営業運転を開始した軌間可変装置付き車両だが、全く新しい技術は、時に予期せぬトラブルに見舞われることもある。

 まさに産みの苦しみだが、原因が解明され、一日も早く運行が再開されることを願ってやまない。

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