スイスで「フリーゲージトレイン」運行開始 知られざる現地の“軌間可変装置”をご存じか

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スイスのモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道にフリーゲージトレインが運行を開始した。ただ日本と規格や条件が全く異なる。

装置搭載は「客車のみ」

ツヴァイジンメン駅構内は標準軌と狭軌が混在している。標準軌の機関車が引き上げ線で待機中(画像:橋爪智之)
ツヴァイジンメン駅構内は標準軌と狭軌が混在している。標準軌の機関車が引き上げ線で待機中(画像:橋爪智之)

 もうひとつの特徴として、軌間可変装置を搭載しているのは

「客車のみ」

で、それをけん引・推進する機関車はそれぞれのものが用意される、という点だ。

 日本で開発されていたのは動力車も含めたもので、モーターやギアなどを搭載するため、より複雑な構造が求められたが、今回スイスで採用されたものはそれと比較すると簡単な構造といえる。

 いったいどのように変換をするのか、実際に変換の様子を標準軌と狭軌の分界点であるツヴァイジンメン駅で観察してみた。

 標準軌のBLSからやって来た列車は、駅に到着後、先頭の機関車が切り離され、そのまま前方の引き上げ線へ退く。ホーム中ほどに設置された軌間変換装置を機関車が通過した後、車体への干渉を避けるために畳まれていたガイドレールが立ち上がる。

 この一連の作業の間に、客車の後方には狭軌の機関車が連結される。ツヴァイジンメン駅構内は、標準軌と狭軌のそれぞれの線路が敷かれ、いずれの機関車も乗り入れることができる構造となっている。

 発車準備が整ったら、後方の機関車が押す推進運転の形で出発、そのまま軌間可変装置を通過する。通過速度は15km/hに制限されるが、列車全体が通過し終わるのに30秒と掛からない。

 通過時には、何かを引きずるような大きな作動音が聞こえるわけでもなく、ガイドレールに補助輪が載った際に鉄橋を通過するような小さな金属音が聞こえるだけで、本当に切り替わっているのか疑問に思うほどだ。

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