スイスで「フリーゲージトレイン」運行開始 知られざる現地の“軌間可変装置”をご存じか
スイスのモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道にフリーゲージトレインが運行を開始した。ただ日本と規格や条件が全く異なる。
最初の実用化は1969年スペイン

軌間可変装置そのものは、すでに1969年にはスペインで実用化され、現在も引き続き運行されている。スペインは他の欧州各国で採用されている標準軌(1435mm)ではなく、1668mmの通称「イベリアゲージ」という広軌を採用しており、それが他の欧州諸国との交易の妨げとなっていた。
これを解消するため、広軌と標準軌を自由に直通できる軌間可変装置付き「タルゴ-RD」が生まれた。開発したタルゴ社は、軌間可変装置の代名詞的な存在となり、後に軌間問題を抱える他国へも輸出された。
タルゴ社の開発したシステムは、地上側に通常の線路とは別の車体を支えるためのガイドレールが設置され、その上に車体を滑らせている間に車輪の幅を変える、というもの。レールの上に車体側の支持装置を載せて強引に引きずるため、支持装置やガイドレールが摩耗しないよう、軌間の変換中はガイドレールに水をまくという、非常に原始的なものである。
スイスで実用化されたシステムは、スペインのものと同様、ガイドレールを支えとして車体を持ち上げ、その間に軌間を変換する構造だが、ガイドレールの支持部分に小型の補助輪を取り付けることで、摩耗する心配がなくなったことと、標準軌と狭軌で異なるホームの高さに対応させるため、軌間可変と同時に車高の調節も行われるのが特徴となっている。