EVのように「電気飛行機」は世界に広まるか? 航続距離延伸に立ちはだかる“バッテリーの壁”も、水素飛行機とすみ分けで万事OKか
電動の輸送機器の開発が日々メディアでにぎわいをみせている。そのなかでも電気飛行機のメリット・デメリットに迫る。
イスラエル発企業が活躍

電気自動車や空飛ぶくるま(eVTOL)など、電動の輸送機器の開発が日々メディアでにぎわいをみせているが、電気飛行機の開発も着々と進んでいる。そのひとつが、エビエーション社のAlice(アリス)だ。
エビエーション社は、高度な技術と専門的な頭脳を駆使して美しい電気飛行機を製作することを目標に、イスラエルで設立された会社だ。
・2017年:ドローンタイプの電気飛行機
・2019年:Aliceのプロトタイプ
を開発し、パリ航空ショーで発表。2020年には、米国ワシントン州アーリントンに本社を移すとともに、製造設備を整えた。
Aliceは9人乗りの本格的な電気飛行機で、2022年9月27日にワシントン州にあるグラント国際空港で初飛行を成功させている。
「Alice」に各国から注文

実は、既にAliceに注文が寄せられている。
米国マサチューセッツ州を拠点とするケープエアーから75機、フロリダ州のチャーター機航空会社グローバルエックスエアラインズから50機、そしてドイツの国際物流会社ディー・エイチ・エルから12機だ。
もちろん、ディー・エイチ・エル用の機体は貨物専用となっている。このほか、ドイツの地域航空会社から25機、ニュージーランド航空から23機、メキシコの航空会社から30機の注文が入っている。
エビエーション社は、Aliceの2027年の就航を目指しており、現在計画どおり認証手続きが進んでいるそうだ。