EVのように「電気飛行機」は世界に広まるか? 航続距離延伸に立ちはだかる“バッテリーの壁”も、水素飛行機とすみ分けで万事OKか
電動の輸送機器の開発が日々メディアでにぎわいをみせている。そのなかでも電気飛行機のメリット・デメリットに迫る。
スウェーデン企業は2028年を目標

そしてもうひとつ、スウェーデンに本拠地を置くハートエアロスペースを紹介しよう。
同社は、2018年にスウェーデンのヨーテボリに設立された電気飛行機メーカーである。当初は、19人乗りのES-19の開発を目指し、米国の航空会社であるユナイテッド航空およびメサ航空から200機の注文と、オプション契約100機を受注していた。
しかし現在は、30人乗りのES-30の開発へかじを切るとともに契約を見直し、2028年の就航を目指している。
ES-30の注文は意外と多く、エア・カナダ30機、スウェーデンのリース会社・ロックトン40機のほか数社と契約を結んでいる。
また、ES-30はフル電動モデルと、バックアップとしてバイオ燃料で動くターボ発電機と組み合わせたハイブリッドタイプを用意している点が特徴的である。
航続距離がバッテリー性能に依存している点を踏まえ、過度に長い航続距離を目標とするのではなく、現実的な見通しを立てている。同社のウェブサイトでは、将来的な航続距離を以下のように見込んでいる。
・2020年代後半:200km(フル電動)、400km(ハイブリッド)
・2030年代半ば:300km(フル電動)、500km(ハイブリッド)
・2030年代後半:400km(フル電動)、600km(ハイブリッド)
ただ、この航続距離をみるかぎり決して長いとはいえない。専門家の指摘する
「電気飛行機は、ニッチな区間の需要を満たすことしかできない」
という指摘は、やはり本物だろうか。