大分空港「ホーバークラフト」は交通網再整備の旗印となるか? 2009年廃止からの復活、コロナ後の活躍に期待集まる

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2009年10月に廃止された、大分空港と大分市内とを結ぶホーバークラフト(ホバークラフト)航路の再開準備が進められている。その歴史を振り返る。

廃止後に噴出したニーズ

ホーバークラフト(画像:大分県)
ホーバークラフト(画像:大分県)

 ただ、ホーバークラフトがなくなると新たな問題が生じた。廃止までクルマやバスのほうが便利と考えられていたが、いざ廃止されると

「やはりホーバークラフトが便利」

という利用者が続出したのである。

 そこで、大分県は2018年、高速艇(ジェットフォイル)の導入を検討することになったものの、ホーバークラフトの優位性が続々と明らかになった。高速艇の場合、発着地の港を一から建設しなければならず、導入期間はかなり先になる。対して、ホーバークラフトなら導入費も安く、3~4年で開業が可能だと判断された。

 さらに後押ししたのが、大分空港活性化への期待だった。大分空港は現在、宇宙港(スペースポート)としても期待されている。アメリカの人工衛星打ち上げ企業「ヴァージン・オービット」が大分港を宇宙港として利用することを決めた。

 空港では今後、航空機が人工衛星搭載ロケットを翼につり下げて飛び立ち、発射する運用が行われる予定になっている。さらに、大分県ではコロナ禍以後に国内・国際線の新規開設による利用客増をもくろんでいる。

 2022年9月に大分県が示した「大分空港・宇宙港将来ビジョン」によれば、2023年度の空港利用者はコロナ禍以前の200万人(国内線190万人、国際線10万人)まで戻るとされている。さらに、2032年度までには国内線40万人、国際線20万人まで増加するとある。

 既存路線の利用促進だけでなく、国内・国際線ともに関西空港や沖縄、上海・台湾との新路線誘致による増加が期待される。とりわけ重視されているのは、アジア諸国からの観光客だ。

 コロナ禍以前、九州にはアジア諸国の観光客が殺到した。ただ、彼らの多くは国際線の多い福岡空港を利用していた。そこで九州各県は、福岡に到着し福岡から帰る観光客の誘致を課題とした。そのため、各県の空港では国際線誘致を積極的に進めていた。

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