地方空港を蝕む「補助金中毒」の闇 搭乗率アップもはや限界、限定アイテム鳴かず飛ばずで今後どうする

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日本の空港の大半は地方空港だ。赤字続きの空港は長年、税金で補てんされている。この状態から抜け出せるのか。

日本にある97もの空港

兵庫県の但馬空港と日本エアコミューターのプロペラ機(画像:シカマアキ)
兵庫県の但馬空港と日本エアコミューターのプロペラ機(画像:シカマアキ)

 日本全国には現在、97もの空港がある。その大半は、地方空港と呼ばれる小規模な空港で、離島やへき地などに立地する。1日たった数便しか旅客機が飛来しないような空港も多い。

 そんな簡単に数えられるほどしか発着しない空港で、経営が成り立つのかというと、実のところどの空港も厳しい。赤字続きの空港は長年、税金で補てんされている。

 ただ単に国民の税金で補てんして空港を維持するだけでは、税金を納める国民の理解を得るのは難しい。空港利用者への補助金・助成金のほか、「あの手この手」でアピールしたり、旅客以外に目を向けて黒字化を目指したりする地方空港も少なからずある。

コロナ前の黒字空港は三つのみ

2021年度(2022年12月23日公表)空港別収支の試算結果(画像:国土交通省)
2021年度(2022年12月23日公表)空港別収支の試算結果(画像:国土交通省)

 国土交通省が2022年12月下旬に公表した2021(令和3)年度の資料「空港別収支の試算結果」によると、航空系事業の収支のみで黒字だった空港は

「東京国際(羽田)のみ」

だった。調査対象となった国管理の18空港のうち、なんと17空港が赤字だった。もちろん、コロナ禍という特殊事情を考慮する必要がある。

 新型コロナ禍以前の2019年度のデータを見ると、当時の国管理24空港のうち、航空系事業のみで黒字だったのは、

・羽田
・新千歳
・小松

だった。非航空系事業を足せば

・松山
・那覇
・鹿児島
・熊本
・広島
・徳島
・百里(茨城)
・高知
・美保(米子)

も黒字だった。赤字額が多いのは釧路、稚内、新潟、函館、大分などの各空港で、釧路空港で10億円近くに上っていた。

 なお、新千歳空港はこの後に民営化されたため、最新データからは外れている。空港運営を民間委託するコンセッション空港、地方管理空港などはデータに含まれていない。