地方空港を蝕む「補助金中毒」の闇 搭乗率アップもはや限界、限定アイテム鳴かず飛ばずで今後どうする
地方空港の定番「飛行機助成」の中身

地方空港では、空港利用者が使える補助金、助成金があるパターンが多い。その一例として、島根県の萩・石見空港を紹介する。助成金は次の通りだ。
●空港圏域在住者
・45日前予約、東京線往復利用:往復7000円助成
・8人以上のグループ利用:片道4000円助成
・25歳以下の搭乗者とその同行者(ふたりまで)東京線往復利用:往復1万2000円助成
●首都圏在住者
・地元出身者、ひとりで東京線2往復利用:2往復6000円
・その他、定住応援助成、コワーキングスペース利用助成、手ぶらでキャンプ助成など
萩・石見空港は島根県西部、益田市中心部から約4kmに位置する。発着便はANA1日2往復のみで、8月の数日だけ大阪(伊丹)便が1日1往復ある。もともと交通の利便性が著しく悪い場所で、1993(平成5)年7月に島根県3番目の空港として開港。2002年に1日2往復から1往復に減便となり、2014年からは国土交通省の「羽田空港発着枠政策コンテスト」により再び2往復となって現在も継続中だ。
毎年10月、全国的に珍しい現役空港の滑走路を走る「萩・石見空港マラソン」を開催。空港ターミナルでミツバチを養殖し、栽培したハチミツを「空港はちみつ」として空港の売店などで販売する。近年は空港周辺が柴犬のルーツとされる石州犬の生産地であることにちなみ、柴犬が到着客を出迎えるイベントを実施して話題となった。
「空港限定」はもはや古い

滑走路でマラソン大会を実施するケースは近年、
・八丈島空港(東京都)
・紋別空港(北海道)
・鳥取空港
・熊本空港
・但馬空港(兵庫県)
などの他空港にも広がっている。多くの空港は飛行機の発着がない早朝時間帯に実施する。昨今のマラソンブームもあり、普段は立ち入れない滑走路を走るというレアな体験ができるのは参加者にとってメリットで、地方空港の有効活用ではひとつのアイデアと言える。
ほかに、各空港で空港限定と銘打つ土産やグルメなども増えている。これらは羽田限定の土産が一時期メディアで話題となり、自らの空港も導入したパターンが多い。ただ、単価が低いために
「薄利多売」
となり、すべて成功しているとは言い難い。萩・石見空港のように「空港内で栽培したハチミツを使った」というストーリー性までないと厳しいだろう。消費者はシビアである。
滑走路もしくはその近く、バックヤードなどに入ることができる空港ツアーの実施も近年増えている。羽田、セントレア、福岡、成田をはじめ、南紀白浜や但馬などでも行われている。ただこのようなツアーは発着数が多い空港のほうが満足度は高いだろう。