タクシー「定額乗り放題」はドライバーを幸せにするのか? 1円でも多く稼ぎたい者にとって朗報なのだろうか
公共交通機関が整備されていない過疎地域などで、高齢者たちが安全に不自由なく生活を送るには一体どうすればいいのか。
タクシーのサブスクとは?
国土交通省は2022年末、一定区域内でのタクシー定額乗り放題のサブスクリプションサービスを解禁する方向で調整に入った。過疎地域では、電車の路線が少ない上、バスも利用人数の減少で採算が取れないなどの理由から、廃止されてしまうことが多い。
また、近年は交通安全上の懸念から、高齢ドライバーの免許自主返納が呼びかけられており、買い物や通院などの移動手段が制限され、日頃の生活に支障が出るケースもある。十分な交通網が張り巡らされている都心では、さほど問題にならないが、地方、特に過疎化が進んだ地域では死活問題である。その状況を打開するため、タクシーへ目が向けられたのだ。
タクシーのサブスクとは、月々定額制の料金で「定額乗り放題」になるサービスのことを指す。現在サービスが実施されている「定額運賃」「事前確定運賃」「相乗りサービス」とサブスクの「定額乗り放題」と合わせて、「次世代の交通MaaS(マース)」のひとつとして期待されている。
MaaS(Mobility as a Service)とは、一人一人の移動ニーズに対応して、複数の公共交通機関などの移動サービスを、最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行えるサービス。利用者の利便性が大幅に高まり、過疎地の交通難民だけでなく、都市部での交通渋滞や環境問題、交通弱者対策などの問題の解決に役立つことも期待されている。