タクシー運転手のさまざまな「前職」 彼らの奥深き半生に耳を傾ける

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タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は、運転手の「前職と転職」について。

タクシー運転手の年齢、全産業より17歳上

街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)
街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)

 東京都内では約4万7000台のタクシーが、都心から下町、住宅街まで、まさに迷路のような道を日夜走り回っている。ここでは現役タクシー運転手の筆者が見てきた現場でのエピソードを紹介しつつ、タクシー業界が抱える課題を取り上げてみたい。

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 全国ハイヤー・タクシー連合会がまとめた「タクシー運転者賃金・労働時間の現況(2021年 賃金構造基本統計調査)」によると、2021年のタクシー運転手の平均年齢は60.7歳(全国)。

 青森県の67.5歳が最も高く、広島県の53.5歳が最も若い。東京は57.2歳となっている。全産業労働者の平均年齢が43.4歳なのと比べると、タクシー運転手は比較的年配者が多いというのが実態のようだ。

 勤続年数はどうか。タクシー運転手の平均は10.5年、全産業労働者では12.3年と、こちらは前者の方が短い。

 このふたつの数字から、大まかに言えばタクシー運転手は、何らかの前職をへて40歳頃に転職してくるというイメージが“平均的な姿”と言えそうである。

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