周囲から24時間監視されるタクシードライバー トイレすらままならない彼らが抱える「原罪論」とは
常に監視され、容易にトイレすら使えない職業ドライバーたち。今こそ、一般市民が知らない、声なき声に耳を傾けるときだ。
行きたくても行けないトイレ事情

外出中、急にトイレへ行きたくなった経験は誰にでもあるだろう。といっても、都会の商業施設や駅、公園やコンビニには数多く設置されているため、探すのに一苦労ということはあまりない。
しかし、そのような状況下にあっても、容易にトイレを使えない人たちがいるのをご存じだろうか。そう、運転をなりわいとする職業ドライバーたちである。彼らにとって、トイレ事情は本当に死活問題だ。
大型トラックは車体の大きさとその駐車スペースゆえ、ドライバーが簡単にトイレに行けない。専用駐車スペースがあってこそだ。もちろん、そのような場所が簡単に見つかるわけもなく、ドライバーは日々、この問題に悩まされている。
大型トラックドライバーに限ったことではない。筆者(二階堂運人、物流ライター)のような一般タクシー(普通車)のドライバーにとっても切実だ。ようは、駐車スペースだけの問題ではないのだ。
タクシー会社では車両の出庫前、点呼と朝礼があり、そこで運行管理者から注意事項が説明される。そのなかには、
・駐車禁止の場所
・休憩禁止の場所
なども含まれている。それらは日に日に更新される。
公道で仕事をさせてもらっている以上、一般人に迷惑をかけないよう努力、配慮するのはドライバーのプロとして当たり前だ。そのため、近隣住民などの声にもひとまず耳を貸さなければならない。たとえ、それがどんな要望であってもだ。クレームが入るようであれば、対応せざるを得ないのが現状だ。