防災・災害対応でドローンに熱視線! 南相馬市が「ロボットのまち」になったワケ
国内外で自然災害が多発する昨今、行政も防災の普及に腐心している。「ロボットのまち」を掲げて各事業者を呼び込む福島県の南相馬市の取り組みを紹介する。
世界共通課題となった自然災害
気候変動により災害が多発している。1970年代まで自然災害は年に数十件だったが、近年その数は急激に増加。
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防災は日本だけでなく世界共通の課題となっている。行政も防災の普及に力を入れ始めた。
福島県の南相馬市もそのひとつだ。「ロボットのまち南相馬」を掲げる同市には、いまドローンなど約40の事業者が集まっている。
なぜ南相馬市はロボットのまちを掲げたのだろうか。同市の取り組みを紹介する。
東日本大震災で必要性に迫られた
「世界一ロボットの実証実験、チャレンジがしやすく、ロボットが日常に溶け込んだまち」
南相馬市がこのようなビジョンを掲げるきっかけとなったのは、2011(平成23)年3月11日の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故だ。
かつて同市では、就労人口の約3割が製造業に従事していた。金属加工の製造業が多く、就業者の7割が市内で勤務するという状況だった。
それを一変させたのが、震災と原発事故だった。市外に避難・転出する人が続出しているこの場所で何ができるのか。そこで注目したのがロボットである。
重点分野は廃炉、ロボット・ドローン、エネルギー・環境・リサイクル、農林水産業、医療関連、航空宇宙の六つ。最先端の技術や研究が集まり、新たな挑戦や産業が生まれることを期待して2016年に事業に着手、2020年に「福島ロボットフィールド」を全面開所した。