防災・災害対応でドローンに熱視線! 南相馬市が「ロボットのまち」になったワケ
国内外で自然災害が多発する昨今、行政も防災の普及に腐心している。「ロボットのまち」を掲げて各事業者を呼び込む福島県の南相馬市の取り組みを紹介する。
ロボット開発など各事業者が入居
福島ロボットフィールドは、同市が津波被災地に整備を進めていた工業団地の一部。活動拠点に設置した南相馬市産業創造センターには、遠隔操作できる人型ロボットや、搬送や清掃を行う自律移動ロボット、介護補助を行うアシストスーツを開発する企業など15事業者が入居する。
団地内には新型コロナワクチンの医薬品製造工場の建設も決定した。
産業があるところには雇用がある。働く人の後ろには、その家族や子どもがいる。将来世代が働く場と学ぶ場所をつくりたいとの思いから、南相馬市はロボットのまちとして再スタートした。
「地域との調整」は企業のメリット
今度は企業の側から見てみよう。南相馬市で事業を行うメリットはどこにあるのだろうか。
ひとつは補助制度だ。重点6分野に関わる企業は、国・県の工場立地や研究開発の補助制度を活用できる。用地の取得や工場の建設に補助金を活用できるなら、ぜひにと考える企業は少なくないだろう。
もうひとつは少し意外なところにある。それは「地域との調整です」と話すのは、南相馬市経済部商工労政課ロボット産業推進室の浜名さんだ。
「ロボットの製造や実証実験にはある程度の広さの土地が必要なので、人口密集地は適しません。人口密度の低いエリアでも周辺住民からの反対があり、用地の取得や工場の建設が進まないこともあります」
「そんなとき、地元を理解する役所が調整を担うことに魅力を感じる企業は多いですね。そもそも、どこに相談してよいか分からない企業が多いので、その窓口があることがメリットと言えると思います」