旧車を冷遇する「自動車行政」 日本の役人は栄光の“技術遺産”を海外流出させる気なのか
歴史的価値を持ち、日本の自動車産業の“生き証人”とも言えるヒストリックカー(旧車)。しかし、国の税制は、そんな貴重な旧車に厳しいものとなっている。
古くなるほど「自動車重量税」の負担増

自動車を日常の脚として普段使いしている人にとって、毎年必ず訪れる自動車税納付は頭の痛いことである。さらに車検のタイミングが重なった場合は、自動車重量税の負担も生じる。
特に初年度登録から13年を経過したクルマについては、自動車税で15%増し、自動車重量税は車両重量0.5トン当たり4100円から5700円に。さらに18年以上になると自動車重量税は車両重量0.5トン当たり5700円から6300円になってしまう。
これは決して軽くない税負担である。
こうした制度について、行政側に言わせれば、古くなって環境性能に劣るようになってしまったクルマを、新しいものに買い換えることを促すことが目的ということなのだろう。
しかしそれは、クルマが例え古くなったからといって愛着を失うことなく、むしろより大切に維持していきたいという気持ちを無視する制度だと言って良いだろう。
すなわちヒストリックカーやクラシックカー、ヘリテージカーといった、欧米ではメジャーな自動車趣味に対して、その存在を否定することにも等しいということである。