クルマの形状のルーツ知ってる? 「ボンネット」「キャビン」「トランク」を作った歴史的1台とは
車と聞けば誰もが思い浮かべる、ボンネット・キャビン・トランクと連なるおなじみの形状。そのルーツはいつどのように生まれたものなのか? 開発の歴史に迫る。
アメリカ量産車の元祖とは
多くの人が「自動車」というモノの形態を思い浮かべるとき、その先端からボンネット、その後ろにキャビン、そして最後方にトランクという形になるのは典型的な例と言っていいだろう。
もちろん昨今はトランクのない2ボックスSUVや1ボックスワゴンなどもメジャーではあるが、クルマとしての基本形はボンネット/キャビン/トランクの3ボックスというのはセオリーであろう。
ところで自動車の歴史を振り返ったとき、これら3ボックスはいつ頃誕生したものなのか? ということに思いをはせた人もいると思う。
自動車デザインの歴史は極めて複雑かつ構成要素が多岐にわたっているため一概には考察できないのだが、少なくともアメリカにおける量産車という条件を付すると、そこにはひとつの回答が導き出される。
そしてそこには「空力理論」を積極的に活用した量産車の元祖であるという姿が見えて来るのである。
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1920年代の終わり頃。創業から数年がたったアメリカの自動車メーカーであるクライスラーの設計室では、創業からボディ関係の設計において重要な役割を果たしていたエンジニアのひとりカール・ブレアが、窓の外の空をゆっくりと飛ぶ陸軍航空隊の練習機を眺めていた。