「18時間も会社にいる」 中小運送社長の届かぬ悲鳴、ドライバー業界を悩ます「点呼問題」の闇とは

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バス運転手、トラックドライバーらによる悲惨な交通事故が後を絶たない。こういった事故を防ぐ砦となるのが、乗務の前後に行う点呼である。だが人手不足著しい業界において、点呼の実施は事業者の大きな負担となっている。

行政処分受ける事業者 “氷山の一角”

ドライバーのイメージ(画像:写真AC)
ドライバーのイメージ(画像:写真AC)

 2022年3~5月に行政処分を受けた293社の事業者(※事業実態のある事業者のみ)のうち、実に134社が点呼に関する違反を指摘されている。つまり、法律に違反した事業者の半分近くは、点呼の不備を指摘されているという異常事態である。

 だがこれは氷山の一角に過ぎない。基本的に国土交通省運輸局による監査が行われなければ行政処分に至らないのだが、「うちはもう何年も、監査どころか巡回指導すら来たことがない」という事業者も少なくないからだ。

 点呼を行っていない、もしくは軽視している運送会社、バス会社、タクシー会社などの中には、明らかに法令遵守意識が低く、意図的に手を抜いている事業者もいる。だが、一方で「やらなければならないことは重々承知しているのだが、点呼を行う人員を確保できない」というケースもある。

 そこで注目されるのが、ロボットなどを使い、無人で点呼実施する自動点呼制度(ロボット点呼)である。

 次号では、自動点呼について考えていこう。

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