ノーヘルで爆走! 道交法ガン無視の「フル電動自転車」は、もはや走る凶器だ
最近見かけるようになった「フル電動自転車」。これは日本の法律ではバイクであり、自転車ですらないのだ。
危険すぎるフル電動自転車
「フル電動自転車だ」
東京多摩、モノレールの下をとおる芋窪街道を立川駅方面から125ccのバイクで流す筆者(日野百草、ノンフィクション作家)と並走する自転車のような高速車両。おかしい。車も少なくゆったり走っているとはいえ、プロ選手がこぐ競技自転車でもあるまい。普通の自転車が並走できるスピードではないはずだ。
視線を感じたのだろうか、スピードをゆるめて後ろに下がったため、筆者も現認のためアクセルを少し戻す。ペダルがついているが、こいでない。ヘルメットもかぶっていない。間違いない、フル電動自転車だ。
泉体育館駅の手前で左折して都立砂川高校方面へ、そこは一方通行、標識には「自転車を除く」とある。フル電動自転車はその自転車のふりをして逆走してゆく。もちろん筆者のバイクは進入禁止なので仕方なくその背中を見送る。方向指示器どころかナンバープレートもなかった。
このような、ただの自転車として街中を走るフル電動自転車、強い言葉ではっきり言うが、本当に恐ろしい
「凶器」
だと思う。
フル電動自転車はれっきとした原動機付自転車および自動二輪車(便宜上、本稿ではバイクと総称する)あり、それを公道で電動アシスト自転車と同じように自転車として走らせることは「犯罪」である。
フル電動自転車とは何ぞや、という人のために簡単に言えば、電動モーターの力のみで走行可能な車両を言う。本稿では便宜上「フル電動自転車」としているが、実際はバイクである。ペダル付きのバイクを「モペット」とも呼ぶが同じと考えてよい。