高すぎる「中韓の壁」越えられる? 日本最大級の「蓄電池工場」が岡山県南端に建設されるワケ

キーワード :
, ,
スタートアップのパワーエックスが、岡山県南端の玉野市に日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」を建設する。2024年から本格的な生産に入る。

伝統的な海事産業との組み合わせに期待大

岡山県玉野市の宇野港(画像:パワーエックス)
岡山県玉野市の宇野港(画像:パワーエックス)

 パワーエックスが実現させようとしている電気運搬船Power ARKは、日本近海の洋上風力発電所で作られた電気を、積載する大型蓄電池に蓄え陸上へと輸送する貨物船だ。

 Power Baseで生産されたグリッド電池を岸壁そのまま船に載せ、発電設備である洋上風発へと向かうこともできる。さらにバッテリーを搭載したゼロエミッション船が普及した場合、船舶用蓄電池をバージや貨物船で沿岸の造船所にそのまま出荷することも可能だろう。

 宇高航路の廃止や三井E&S造船の商船建造撤退など、海事産業と密接した関係にあったからこそ、大きな影響を受け続けて来た玉野市。近年は瀬戸内国際芸術祭の玄関口としての役割も担っており、風光明媚(めいび)な瀬戸内の景色と島々に置かれた現代アートを目当てに訪れる人も多い。

 伝統的な海事産業とオートメーション化したバッテリー工場という組み合わせが、地域や社会をどのように変えていくか注目していきたい。

全てのコメントを見る