批判集まるタクシーの「違法駐車」 しかし裏には、同情すべき乗客からの「無理難題」があった!

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タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は「違法な駐停車」について。

「食事で車を離れる」は絶対NG

街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)
街を行くタクシーのイメージ(画像:写真AC)

 あるベテランの同僚に「駐車禁止で捕まることありますか」と聞くと、「いや、俺はない。あまり地理や事情に詳しくない場所で車から離れて食事なんてやっちゃいけないよ。それと付け待ちはしないし、基本は走りっぱなしだからね」との答えだった。

 タクシー運転手も経験を積むと、妙なヘマをしなくなる。駐禁だけじゃなく、レッカー移動なんかされたら3万円以上もの大金が吹っ飛んでしまう。

 筆者も一度、ほんの短い時間だけ車を離れて昼食に牛丼を食べようかと考えたときがあったが、すぐ近くに駐禁の指導員が立っているのに気がついて慌てて回避した。

 筆者のように高給でもなく、わずかな歩合給で働いている者にとって、1日1日の出番で駐禁の取り締まりを受けるのは実につらい。食事は駐車場のある場所でするのは、ドライバーの必須条件なのだ。

タクシー運転手こそ模範たれ

 冒頭で触れた実証実験に関しては、「グッドアイデアだ」といった好意的なコメントが寄せられていた。それだけタクシーの駐停車マナーについて思うところのある人が多いのだろう。

 駐停車は、円滑な交通の妨げ。身長の低い子どもの見通しを悪くさせて、飛び出し事故を招く。消防車、救急車などの緊急車両にとっても実害が生じかねない厄介者だ。

 タクシー運転手が模範となるつもりで、ドライバーひとりひとりのちょっとした気配りがあれば、一般の運転者らも含めて駐停車違反は少しづつ改善されていくといいのだが。

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